くっさんの切磋琢磨 ~高知競輪アナウンサーブログ~

2016年10月27日 (木)

強くなりました

 先日19日~21日に終了しました全国で初めての試み、「FⅠモーニングレース」が高知競輪場で実施されました。第1レースの発走が9:00で今までのFⅡ開催であればチャレンジ戦から始まるのですが、FⅠ開催なのでいきなりA級1、2班の選手が登場するという開催でした。前検日に取材をしていると、あるベテランの選手が「こんな時間に走るのはデビューしてから初めての経験です」と言っていた事が印象に残りましたが、いざ実戦になると全く影響は無い様に感じ取れました。  さて、この開催では話題性の強い選手が多数参加しておりましたのでご紹介いたします。まずA級戦は徳島・太田竜馬(おおた りゅうま)109期生が先行と捲りで完全優勝を達成しました。彼はデビュー以来力強い競走で連勝記録を積み重ねてチャレンジ戦、A級戦と無傷のS級特別昇班は濃厚と期待されましたが、惜しくも和歌山、佐世保戦で記録が途切れての今回の高知戦でしたが、再びS級を目指してのパワーの違いを見せつけました。残り2場所で再度記録を達成する確率は高そうです。そして残念だったのは和歌山・石塚輪太郎(いしづか りんたろう)105期生で連日完璧なレース内容で初日特選、準決勝と逃げ切り勝ちで、決勝戦は半周上がり14・3のタイムで捲りましたがそれを更に太田が14・1のタイムで上回り勝つのですから致し方ありません。近いうちに両者はS級上位での活躍は必至でしょう。  S級決勝戦は昨年まで高知に在籍していました京都・山本伸一(やまもと しんいち)100期生が下馬評通りの活躍を見せて、決勝戦も人気を集めていましたが、残念ながら決勝戦では捲りに回って捌かれ不発に終わり、根田空史(ねだ たかし)94期生の逃げ切り優勝を許してしまいました。でも今年はFⅠ戦4度の優勝やGⅠレースの勝利もありまだまだ伸びそうな雰囲気です。今後のご活躍を期待しています。  今回は、地元高知の選手の活躍が目立ちました。地元の佐々木則幸選手は初日不運な車体故障で二日目以降欠場となりましたが、S級予選で篠原龍馬は粘りに粘っての2着、最終日は豪快な捲りを決めて森下忠夫(補充)とワン・ツー、同じくA級でも阿部弘が初日予選で捲り勝ち、最終日特選では逃げ切りで篠原英雄とこちらもワン・ツーを決め2勝を飾りました。また、二日目から補充で入った池田周平は連日後方から伸びて2着2本の成績と良い結果を残しました。その中で僕が注目をしていたのは阿部弘(あべ ひろし)99期生です。最近の成績を見ても抜群の安定感で競走得点も91点台に乗せてきました。本人も何故良くなったか分からないと言っていましたが、最近急激に体格が良くなって特に上半身が大きくなったのが要因かもしれません。それと彼のレースを見てみますと、レースの流れを掴んでいる様な気がします。得意の戦法は先行・捲りですが、時折り自在に攻めるシーンもありますので、正に今が旬(しゅん)と言っても良いかも知れません。来期1月はまだA級のようですが、来年の7月には待望のS級も夢ではありません。是非トライして下さい。「強くなりました」阿部選手に今後も注目です。